「商品」かつ「アート作品」でもあるアロハシャツは、すべての工程にこだわりをもち、完全に手作業で1つ1つ丁寧に仕上げています。1つの作品の製作が仕上げるまでに要する期間は約2ヶ月。花鳥風月や色味から毎年のテーマを決め、1年間で100〜200着もの作品を手掛けています。

⚫︎素材の選定

全国各地の骨董市など各地に足を運び素材を厳選。毎年のテーマに沿った柄や色味のものを集めています。頭の中でアロハシャツを細分化して、襟はこの着物の素材を取り入れよう、胸元にはこの柄でワンポイントのアクセントにしようなど、アロハシャツの完成デザインをイメージしながら、素材を選定しています。また、リメイクしてお客様に長く着用していただくために、着物の生地の状態を見極めていることもこだわりの1つです。保管方法によっては、耐久性が低く、軽い負荷で簡単に破けてしまうため、素材収集の際には五感を研ぎ澄ませて細心の注意をしています。

⚫︎ほどき

着物という日本の美学の詰まった「衣」。美しく丁寧に作られたものを、着物のまま大事にしまわれているよりも、その美しさをたくさんの方々に見てもらうためデザインする。そう思い、着物をほどいています。この工程において大事なのは「慎重さ」と「根気」です。着物を解いて新たにアロハシャツとしてデザインするために、破る・穴をあけるなど本来の柄が失われることのないように、また縫製後に破れなどに繋がらないように手作業で丁寧にほどいています。

⚫︎洗い・陰干し

ほどきを終えたら、生地を洗います。多くの着物は正絹でできているため、間違った洗い方をすると、色落ちしたり、縮んだりと、着物を傷めてしまうため、こちらも非常に気を遣う作業になります。そして、洗い終えた生地は丁寧に手作業でシワを伸ばして、陰干しをしていきます。

⚫︎プレス

最大限にシワ伸ばし滑らかな仕上がりにするために、陰干しした生地を生乾きの状態で、裏側からあて布をしてプレス作業を行います。その際に、生地の傷んだ部分、シミや汚れ、日焼けなどシャツに適した生地の状態を改めて確認します。製作するものによってどのくらいの生地を使うのかも変わり、生地の劣化具合によっては適さない箇所もあるため、耐久性なども洗いとプレスの際に確認を行います。シルク生地は生き物であり、声を聴くことで、新たな創造作品として満足してもらえるものになるのかといった、生地の質もプレスの工程で確認します。

⚫︎デザイン・裁断

通年のテーマをもとに素材選定の段階でイメージしていたアロハシャツを具体的にデザインしていきますが、着物には古くから脈々と受け継がれてきた伝統的な柄も多く、それぞれに意味があります。カラフルな色使いや繊細で優美な振袖においては描かれている模様の1つ1つに、着る人の幸せを願う想い、おめでたい意味が込められているのをご存知ですか。古典柄に多く使われている伝統的な柄には、縁起の良いもの、格式高いものなどたくさんの柄があります。そういった「柄を活かすこと」「意味を理解すること」をはじめ、「反物幅を活かす」「着物を活かす」こともデザインする上での重要な部分としてとらえ裁断を行なっていきます。

⚫︎縫製

べて一点もののため、生地の組み合わせ方、部位によって糸の色やサイズに縫い方まですべてが異なります。そんなこだわりの詰まった要望に唯一応えてくれることはもちろん、作品への思いを汲み取りながらアロハシャツ製作と向き合っていただける、福岡県糸島市の工房の方々に縫製作業を依頼しております。